第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
PM 15:00
「 たっだいまあ──っ!! 」
玄関からは賑やかな人の声が聞こえてきた
姿を見なくても木兎くんだとすぐに分かった
やはり彼が居るだけで賑やかなのだと再確認
私は玄関まで木兎くんの事を出迎えに行く
「 木兎くん、おかえりなさい 」
「 お!美雨!いい所に来た!
丁度お前に頼みたい事があったんだよ!
とりあえずちょっと俺の部屋に今すぐ来て 」
「 え … ちょっと! 」
木兎くんは私の腕を掴んだまま歩いて行く
私は困惑しながらも言われるがまま状態だ
彼は偶然キッチンに居た陽葵ちゃんに叫ぶ
「 陽葵!美雨ちょっと借りるからな! 」
「 私 … 今仕事中だよ?! 」
「 いいからいいから!
だってこれも美雨の仕事みたいなもんだろ? 」
そう言って私の手をグイグイ引っ張りながら
問答無用に階段を駆け上がって行く木兎くん
陽葵ちゃんは苦笑いをしてこちらを見ていた
御愁傷様と言わんばかりの表情をしている
木兎くんは自分の部屋の中に私を引き込んだ
部屋の中は散らかっていて想像通りだった。
如何にも男の部屋って雰囲気が漂っている
私は木兎くんに抱えられベッドに下ろされる
目をギラギラした彼が私の上に覆いかぶさる
「 ちょっと … 」
「 もう我慢できねえ──のっ!
遠征は男ばっかで禁欲してたんだからさ
溜まりまくってて本当にやべ──から!
昨日くらいからムラムラが止まんねぇの
だから美雨が俺を手伝ってくんねぇとな!」
木兎くんは私の体に手を伸ばそうとしたので
その手を掴んで彼の動きを制止させて言った
「 あのっ!その前にお願いがあります … 」
「 何?早く言ってくんない? 」
「 夜 私と一緒にランニングして下さい …
走り方のフォームとか色々教えてほしいです
木兎くんが迷惑でなければの話ですけど … 」
「 お安い御用っ!話終わり?! 」
「 はい、ありがとうございます … 」
話終わるとすぐに手を振り払われてしまう
木兎くんは私の胸を荒々しく触っていく
興奮している様でかかかる息だって荒い
無我夢中って言葉が彼にはまさにぴったりで
声をかけても反応は無いのでされるがままだ
メイド服だって躊躇する事なく剥ぎ取られた