第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
仕事は一般的な家事が主な仕事であった
掃除に洗濯、それにみんなの食事の準備
食事は毎週末に献立を考えているそうだ
食料の買い出しは週に1度まとめて行う
各部屋の掃除は住人の許可を得て行う
住人が望まなければ掃除はしなくて良い
洗濯室には洗濯機と乾燥機が2台ずつある
西側、東側と分けて洗濯機に入れて洗濯する
柔軟剤にこだわりがある人の分に関しては
個別に洗濯機にかけて洗う様にする事
乾燥が終わればアイロンを必ずかける事
洗濯が終わったら住人に必ず手渡しで渡す
「 掃除はフロア全体に掃除機をかけたら
床を水で濡らした雑巾で拭いていくんだよ!
大変そうだけど慣れたら全然平気だから! 」
こんな広い家を毎日念入りに掃除するのか
良い運動になりそうで痩せられそうである
陽葵ちゃんから仕事を教えてもらっていたら
突然階段の方から人の気配を感じ視線を移す
「 あ!岩泉くん──! 」
「 お、遂に新しい子が来たんだな 」
階段から降りて来たのは岩泉と呼ばれる人
確かさっきプロフィールブックで見たな
Tシャツ腕まくりのむっつりスケベさん!!
実物もやっぱり男らしい雰囲気が漂っている
どうやら彼は今日は仕事がお休みのようだ
「 初めまして、美雨と申します。
今日からこちらの家でお世話になります
頑張りますので宜しくお願い致します! 」
「 そんな賢まんなくて良い
俺の名前は岩泉一!これからよろしくな 」
意外と気さくそうな人で私は一安心した
岩泉くんは笑うと顔が一気に優しくなる
「 美雨の担当は西側になんのか? 」
「 そうだよ!美雨ちゃんは西側の担当だね 」
「 まじか … 大丈夫かよ
大変だろうけど困った時はすぐ言えよ?
西側の奴らは手のかかる奴が多いからな 」
「 ありがとうございますっ! 」
西側の住人達はそんなに手がかかるのかな?
困った時はきっと助けてくれるだろうし
みんな良い人って言ってたし大丈夫でしょ