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イケメン戦国 短編集 R18

第18章 全てを乗り越えて (光秀×舞) R18 リクエスト作品


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「ふっ…無理をさせ過ぎたな。だが…愛らしい寝顔だ」

すぅすぅと寝息を立てて眠る舞の髪を優しく梳きながら、光秀は愛しい恋人の寝顔をじっと見つめていた

(誰かがお前に触れただけで、俺がこんなにも心を乱されているなんて…お前は信じないだろうな)

広間で家康に抱き抱えられ、頬を染めている舞の姿を見た瞬間、考えるよりも先に体が先に動いていた

舞を優しく見つめる家康の瞳をじっと見つめ返す舞は、まるで本物の許嫁のようで…その場で奪い返したくなる衝動を抑えるのがやっとだった

それ程俺はお前に溺れているのだと…自覚するには十分過ぎる出来事だったと改めて思い知る

(全く…厄介な感情だ。これ以上乱される前に、全てを終わらせるとしよう)

撫でていた髪からそっと手を離し、光秀は静かに舞の部屋を後にした




向かった先は、光秀自身の部屋だった

すぐに家臣を呼び寄せ状況報告を受けると、光秀はニヤリと口角をつりあげる

(思った通りだな。あの男…大した役者だ。だが所詮…俺の目は誤魔化せんがな…)

報告書を書き上げ、すぐに天主へと向かう

天主では険しい表情を浮かべた信長が一人、静かに酒を煽っていた

「光秀か。こんな時間に珍しい事もあるものだな」

余程疲れたのか、不機嫌さを隠さない声でそう呟く信長に一礼し、近くへと歩み寄る

「はっ。お館様に、急ぎご報告したい件が…」

光秀は、懐から取り出した報告書を信長に手渡すと、信長が読み終えた頃を見計らってゆっくりと口を開いた

「如何いたしますか、お館様」

「膿は早々に出さねばならん。明日の軍議には家康も登城させろ」

「かしこまりました」

報告を終え、すぐに天主を出ようとした光秀だったが、信長に呼び止められ歩みを止め振り返った

「お館様……?」

「光秀、いつも冷静な貴様が動揺する姿など初めて見た。弱みを握られれば付け入られる隙を与える事になると分からない貴様ではないだろう」

嘘や誤魔化しなど一切通用しない相手からの問いかけに、光秀はフッと笑みを浮かべる

「確かにそう思っておりました。舞に出会うまでは」

(その方が、心置きなく任務を遂行出来る。その過程で命を落とす事があっても構わないと、そう思っていた…。だが……)



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