第18章 スターチス【切島鋭児郎/切甘】
次の日も楓は俺の病室に来た。
『鋭ちゃん!来たよ〜今日はね、ビーフジャーキー買ってきたから一緒に食べよう!あ、でも多分病院でこういうの食べちゃダメだと思うから私が持ってきたのは内緒だよ?』
「おう!ありがとう!!」
ビーフジャーキーをもらって食べる。
「へへっ…なんか良いな!こういうの」
『こういうの?』
「彼女が見舞いに来てくれるっての!すっげぇ嬉しい!!」
そういうと楓は顔を真っ赤にして照れる
ビーフジャーキーを食べ終わった頃に楓はじゃあ今日は帰るねお大事に!また明日!と言って楓は帰っていった。
入院して16日目であり楓と再会して14日目。
そして付き合ってから4日目にあたるその日…楓は俺の病室に来なかった。
「…楓来ないな」
また明日って言ってたのに…
コンコンと部屋のドアをノックする音が聴こえた
楓が来てくれた!と一瞬思ったがドアが開いたその先にいたのは看護師さん。
「切島さん、リハビリの時間ですよ」
「あ、はい…」
ちょっとテンション下がりつつも看護師さんに連れられてリハビリルームへ向かう。
その途中の廊下で楓とすれ違う。
「楓っ!」
『鋭ちゃん!?久しぶり!つか、鋭ちゃんその怪我どうしたの?』
「……え?」
また戻ってる…。
また、再会した日と同じ…?
『どうしたの?鋭ちゃん…』
「いや、どうした?はこっちのセリフだ…お前どうしちまったんだよ…」
『何が?』
「…3日前告白してお前と付き合い始めて一昨日と昨日見舞いに来てくれてすげぇ嬉しかった、昨日俺の病室出るときまた明日って言ってたけど今日は都合つかなくてこれねぇんだと思ってたのに…まるで今日俺と再会したみたいな態度で」
『え?ちょっと待って、私…鋭ちゃんと付き合ってるの?』
「……は?」
楓の言葉に俺は頭が真っ白になった。
楓はそろそろ時間だから行くね、と言って小走りで去っていった。