第18章 スターチス【切島鋭児郎/切甘】
やっと付き合えたと思ったのに、付き合ってる事を無かった事にされた…すげぇ悔しい。
悔しいけど、きっと何か理由がある筈だ。
もう一度告白して、付き合ってみれば理由も分かるかもしれねぇ…そう思った
次の日、楓と病院のエレベーターの中で会った。
『鋭ちゃん…』
「楓!好きだ…俺と付き合ってくれ!!」
唐突すぎたぁぁあ!と思ったが楓は私も鋭ちゃんが好きだよと言ってくれた。
けど、2日後には楓はまた再会したばかりの楓に戻っていた。
入院生活20日目…瀬呂と上鳴が見舞いに来た。
「よぉ、切島!具合どうだー?」
「リンゴ買ってきたぞ!」
上鳴と瀬呂はベットの横にある椅子に座る
「悪りぃなお前ら…ありがとう」
「なんか浮かねぇ顔してるな、どうかしたか?」
瀬呂が心配そうに声をかけた。
「あぁ、実はな……」
そう言って俺は楓との事を話し始めた。
「うあ〜彼女ひでぇな」
「二回告白して二回ともそれかよ〜」
なんて2人に言われて余計に落ち込むだけだった。
その次の日廊下で話してる看護師さんの会話が聞こえてきた
「あの子また来たわね」
「あの子って?」
「ほら、3日間しか記憶保てない子…えっと名前なんだっけな」
「高橋楓ちゃんですか?」
「そうその子!3日間しか記憶保てないのに、病院来る事は忘れないのね〜」
看護師さんのいる廊下まで出て俺は
「盗み聞きするつもりはなかったんすけど、楓が3日間しか記憶保てないってそれホントですか!?」って聞く
看護師さんはそういうの個人情報ですから詳しくは言えないと言う
「自分は楓の幼馴染です…でも、楓がそんな状態だなんて知らなくて…」
看護師さんは切島を少し不憫に思ったのか
「ホントはこういうの良くないんだけど、聞かれちゃったし…隠しても仕方ないわね」
と言って全部話してくれる
分かったことは…
*楓は3日間しか記憶が保てない記憶障害、4日目になると三日間分の記憶が無くなってしまう。
*その障害になる前の過去は覚えてるから切島のことも自分の名前とかも覚えてる。
*この病院の精神科に通ってるが、精神科の先生に言われて日記書いても長続きしない
と言うことだった