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まだまだ青い白鳥たち~天童編~

第3章 ブロック③


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告白――――まではしないけど、あの日――天童くんに抱かれた日のことを本人に聞いてみたいな、と私は思い始めていた。


でも私は彼のLINEすら知らない。合宿以来、彼は女バレの体育館にも遊びに来なくなった。そういえば緑川とも最近一緒に帰っていないらしい。牛島くんとの噂は本当だったということなのか。


そして今日もいつも通り放課後部活でメニューをこなし、あっという間に終了時間が来た。一旦汗を拭きに体育館入口前のタオルを取りに行くと、


「…はるか先輩、久し振り」
「……天童くん」


久し振りに彼が入り口に立っていた。もう既に制服に身を包んでいて、汗のせいか髪の毛のセットも少し乱れている。


「あ、えーと…緑川だよね。呼んでこようか?」
「いや、大丈夫。今日はちゃんと約束してるから」


今日は……?いつも約束してたんじゃないのかな…。天童くんがフと寂しそうな視線で緑川を見つめていることに気付く。


ああ。いつも、約束してなかったのかな―――。


天童くん、いつも君が待っていただけなの――――?












君も、片思いだったのかな――――……












「……ねえ、はるか先輩」


私は緑川と天童くんの関係がどんなものだったのか、なんとなく理解したような気がした。彼が今にも泣きそうな子供のように見えて、呼び掛けに答えるとこっちまで泣きそうになってしまう。


「な……に?」
「………先輩さ、合宿の時、なんで来なかったの?」
「え、合宿……?」


合宿……?なんの話なんだろう。天童くんは自分から私に問い掛けたくせに目元を手のひらで覆っていて表情が分からない。私が答えられずにいると口元だけフッと自虐的な笑みを浮かべ、


「…いんや、いいんだ。今日カタつけてくるから。そしたらもっかい言わせて」
「……うん?」


彼がそう言ったところで後ろから緑川が現れた。「おまたせ」と緑川が彼に話し掛けると天童くんは優しい笑顔になった。


…なんだ、やっぱりいい感じじゃないか。


痛む胸は辛いけれど、お似合いの二人がいつまでも幸せでいてくれれば、私はそれでいいんだと思えた。


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