第2章 ブロック②
「―――――っ」
普段はセットされている彼の髪が、今夜はすべて下されていてサラサラとしているのだけれど、天童くんはその前髪を額からかき上げて眉間に皺を寄せた。
「……先輩が悪いんだから、ね」
かき上げられた前髪は彼の手から離れるとサラリと額にかかり、少し長めのせいか目元は見えない。目、見たいんだけどな。そう思った瞬間に、
「あっ……やっ…!」
天童くんが腰の動きをさっきよりも早めてきた。労るように動いてくれていた彼だけど、今は本能のまま貪られている。ガツガツと奥まで突きたてられる感触に、意識はどこかに吹っ飛びそうになった。
私の両手は畳に縫い付けられ、彼の指と絡められる。その力が凄くて、毎日筋トレしてる私の力でさえとてもじゃないけど敵わない。
「…もっと、して」
何も考えられない筈なのに、口からは勝手な言葉ばかり飛び出てくる。いつからだろう。いつからこんなに甘える言葉ばかり天童くんに吐き出しているのだろう。
「……言われなくても、もうイキそうだから」
一層腰の打ち付けを早めた天童くんがまた私の吐息を唇で奪っていく。お互いに舌を求め合い、触れ合った瞬間に私のナカで天童くんのモノが脈打つのを感じる。
ああ、イッたんだ――――
トクトクと優しい脈動を自分の中で感じていると、私の意識も白くなっていった。天童くんの舌がずっと気持ちよく口内を撫で続けてくれている。
薄れていく意識の中、天童くんが何か呟くのを聞いた気がした。なんて、言ってるの―――。
聞きたい、聞きたかったのに。
体が重くて沈んでいく感覚に、私はとうとう意識を手放した。