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夢で見た世界

第3章 ONE PIECE 今頃気付くなんて/Ace 


「見られるのは嫌か?なら、せめてもの抵抗に俺のマントで"隠す"んだな。」

“そんなっ”

口を開こうとしたが、気配はすぐ側まで来ていた。
私は床に敷かれたマントの端を掴むと自分を追い隠そうと上半身と顔を隠した。

すると上手い具合に扉が開く音がした。

「シャンクス、良い酒が手には入ったん、だが…」

聞こえたのは、やはりエースの声。

「っわ!?じゃ、邪魔したな!!」

ガチャン!!と慌てて締めた扉に、私は胸が苦しくなった。

"私"だって知れてしまっただろうか。

エースなら私だって分かっちゃうもしれない…

…どぅしよう、私。


「…ここまで…だな。」


Σ…っ!?


「彼奴の所に行くんだ。」


『ど…して?』


まだ途中なのに…


「震え泣くお前を、俺が最後まで抱けるとでも思うか?」


『…ぁ。』


シャンクスは自身を抜くと、床にずり落ちている私の体を引き寄せ、立たせてくれた。

マントに縋るように泣くと、私の頬の涙を親指で拭う。

シャンクスは眉を下げて笑っていた。

やはり彼には適わない。

どれだけ自分が"大人"になるために背伸びをしても、全然釣り合わない。


『ごめ、な…さぃ。』


貴方だけを追いかけて来た…
それは嘘偽りも無い。

なのに…


「俺の事はいい。…エースを追うんだろ?さぁ、行け。」


私は身なりを整えると部屋を出た。
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