第10章 別れの曲
「ごめんな…」
翔の唇にチュッとキスをすると、俺の肩に腕を乗せ躰を寄せてくる。
「もっと…」
甘えた声でねだって来るから、唇を突き出した。
「たまには翔からしろよ」
「え~」
「早く…」
唇を突き出したまま俺が動かないとわかると、ゆっくりと近づいてきて瞳を閉じた。
唇が触れた瞬間、後頭部を押さえこむと『んっ』と甘い声を漏らす。
チュウっと軽く吸い付くと、翔も同じように吸い付いてくる。
何度か角度を変えながらキスを続け、舌を出すと翔が唇で俺の舌を優しくくわえこむ。
「んっ、んふぅっ…」
キスに気を取られている翔の双丘に手を伸ばし、揉みしだくと唇が離れてしまった。
「あっ、やだ…」
「なんでだよ、して欲しかったんだろ?」
「そんな急に握られたら吃驚するでしょ」
「もう、注文多いな…」
「そんなことないよ。
智がエッチなことするのが悪いんじゃん」
「エッチか?普通だろ?
これからすることの方が、よっぽどエッチだと思うけど?」
「それはそう、だけど…」
頬を紅くして言い淀む…
「もうのぼせるから風呂あがるぞ、続きはベッドでな」
今度はおしりをさわさわと撫でると、またビクッと躰を震わす。
「あんっ!もぉっ!」
膨れた翔の腕を掴み立ち上がった。
「いいから行くぞ…お前のケツ触ってたら早く挿れたくなった」
「智のエッチ!」
「俺もエッチだけど、そう言うお前だって相当エッチな躰してるからな」
言葉に詰まり、真っ赤に顔を染めた翔の手を握り、風呂場を後にした。