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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第31章 【ピーター・ペディグリュー】


「インペディメンタ!!」

 途端にスネイプの体が吹き飛び、壁にぶつかった。クリスは素早くルーピン先生に駆け寄ると、縄を解こうとした。だが縄はきつく結ばれており、中々ほどけない。なんとか口に巻かれた縄を解くと、ルーピン先生はクリスの後ろを見て叫んだ。

「止めるんだ!セブルス!!」

 クリスが後ろを向いた時、スネイプがクリスに向かって杖を振り上げていたところだった。クリスはかわす暇もなく、至近距離からもろに呪文をくらって壁にめり込むほど体が勢いよく吹き飛んだ。

「かはっ……!!」
「「クリスッ!!」」

 ハリーとルーピン先生が同時に叫んだ。クリスは背中と後頭部を嫌と言うほどぶつけ、まるで体中の骨が軋んだ様に感じた。スネイプは肩で息をして、クリスを見下ろしている。

「このっ、我輩に盾突きおって……馬鹿娘が!!」

 しかし、スネイプが再び杖を振り下ろそうとした時、横から真っ黒い塊がスネイプの体に向かって行った。ブラックだ。
 ブラックはスネイプの喉元を狙って噛みつこうとしたが、スネイプは何とかそれを避け、杖から火花を放った。ブラックはそれを避け、壁際まで後退してスネイプと距離を取った。そして助走をつけると、一気に飛びかかった。その瞬間、スネイプがニヤリと笑った。

「セクタムセン――」
「「「エクスペリアームス!!」」」

 ハリー・ロン・ハーマイオニーが同時に同じ呪文を叫んだ。3つの閃光がスネイプの体に直撃し、スネイプは壁に激突して、ズルズルと壁を這う様に落っこち、頭から血を流しながら床に倒れてそのまま動かなくなった。3人とも、自分のした事が分かっていない様だった。呆然とし、お互い顔を見合わせている。

「なんて事を……君達が手を汚す必要なんてなかったのに」

 未だ縄に縛られままのルーピン先生が呟いた。クリスは這ってルーピン先生の所まで行くと、その縄を解こうと上体を起こした。しかし体中に痛みが走って中々力が入らない。そこにブラックが現れ、器用にも牙で縄を食い千切った。
 ルーピン先生が自由になったと分かると、ブラックは再び人間に戻り、飛ばされたスネイプの杖を拾い上げた。そしてスネイプの状態をしらべた。
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