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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第24章 【ハーマイオニーの変貌】


 クリス達はハグリッドの太い腕に手を乗せて「今控訴の準備をしている」「今度こそは負けない自信がある」と自信を込めて言ってハグリッドを慰めた。ハグリッドはそれを聞いて、4人いっぺんに抱きしめた。その力が強すぎて正直息苦しかったが、ハグリッドが少しでも元気になってくれるなら構わなかった。

「お前ぇさん達は、なんて良い奴らなんだ。こんな俺の為に、精一杯尽くしてくれて……」

 そう言って4人を離すと、またハンカチで涙をぬぐって、勢いよく鼻をかんだ。
 それからお茶を入れて、5人でホッと一息ついた。ハグリッドに、調べている情報をつづった羊皮紙を渡すと、ハグリッドはそれを熱心に読んでくれた。まだ控訴で勝つ保証があると、ハグリッドも少しは考えを改めてくれたらしい。

 休み時間が終わる前に、ハグリッドは4人を城まで送ってくれた。そして別れ際にもう一度4人を抱きしめると、嬉しさ半分悲しさ半分といった感じでまた涙を流しながらもと来た道を戻って行った。

「良かった、これでハグリッドも少しは元気になってくれたかな?」
「さあ、そいつはどうだろうねぇ?」

 鼻につく様な嫌みったらしい声が、柱の陰から聞こえた。この声の主は顔を見なくても分かる。他の誰でもない、ドラコだ。ドラコはいつも通り腰ぎんちゃくのグラップとゴイルを連れて、クリス達の行動を窺っていたらしい。

「父上が手紙で裁判のことを教えて下さったよ。なんでもあのデカブツ、自己弁護どころか、まともに喋ることさえ出来なかったらしいじゃないか。それなのに控訴だって?笑わせるよ」
「なんだと!もとはと言えばお前が馬鹿な真似したからこんな事になったんじゃないか!!」
「なんだいクリス、僕の所為にしようって言うのかい?怪我したのは確かに僕だけど、あんな危険な怪物を連れてきたあいつが悪いんじゃないか。それなのにあいつってば『コイツは何も悪くねぇですだ……コイツは……あー、えーっと、日付は――何日だっけ、確か、メモが……』とか言いながら紙くずを落として、裁判官たちを失笑させていたらしいじゃないか。こんな笑える話って他にあるかい?」
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