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ハリー・ポッターと恋に落ちた道化師

第24章 【ハーマイオニーの変貌】


「ロン、スキャバーズの事……本当にごめんなさい。私、馬鹿みたいに意地ばっかり張って……」
「ああ……うん、もう良いんだ。それに、ほら、それに今度は役立たずのネズミじゃなくて、ふくろうを買ってくれるかもしれないし……」

 ロンは耳まで真っ赤にしながら、しどろもどろに喋った。
 ここではなんだと、4人は久しぶりに一緒になって談話室へ行った。そしてふかふかのソファーに身を埋めて一呼吸おき、それから今後の対策を練った。
 残念な事にシリウス・ブラックが2度もホグワーツに侵入した所為で、先生達は厳戒体制を取り、日が暮れてからハグリッドの元へ行く事は不可能となった。

 週が明けて初めての『魔法生物飼育学』の授業中、クリス以外の3人はハグリッドの授業を取っていたので、なんとかそこで話しを聞けたらしい。
 裁判中、ハグリッドは緊張のあまり上手く弁護が出来ず、その上ルシウスおじ様の言い分だけを委員会は聞き入れたと言うのだ。ロンとハーマイオニーが控訴の準備をしていると言っても、ハグリッドは意気消沈して「ダメだ。俺はただ、バックビークに残された時間を幸せに過ごさせてやりてぇ」と言っただけだった。

「何とかして、ハグリッドを元気づけてあげなくちゃな」

 土曜日の午前授業が終わった後、クリス達は休み時間にハグリッドの元を訪れようと計画していた。

 ハリーはクディッチの練習が未だ週5で行われている為、時間を割くことはできないが、ロン、ハーマイオニー、クリスの3人で図書館に通って控訴に役立ちそうな資料を集めている事をハグリッドに教えて、少しでも元気づけてあげようとしていた。今のハグリッドは、ルーピン先生以上にボロボロだった。

「ハグリッド、いる?」

 ハリーが扉を叩くと、中から涙を流したハグリッドが出て来た。バックビークは前と変わらず、ハグリッドのベッドで羽根をたたんで小動物を骨ごと食べている最中だった。

「お前ぇさん達、来ちゃならねぇって……あれほど、あれほど言ったのに……」

 それ以上、ハグリッドは言葉が出なかった。もう怒る元気もないらしい。よろよろとイスに座ると、テーブルクロスほどもあるハンカチで鼻をかんだ。
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