第24章 幸村の誕生日
「華月、お前はこれ持って俺の後ろに隠れてろ。
お前の事は俺が守ってやるからっ」
幸村は抱えていた籠を押し付けると、
華月を自分の後ろに隠した。
「いい着物着てるから、金持ってんだろ」
追い剥ぎ、盗賊の類いだ。
華月の身成りに目をつけてついて来たようだ。
「華月、俺の後ろから離れんなよ」
「う、うん」
頷いて、しっかり後ろに身を寄せる。
「ちっちゃいのが格好つけてんじゃねーよっ。
ヒヒヒヒ…女を捕まえろ!」
その声で、男達が襲いかかってかる。
「キャッ」
怖くて咄嗟に目を瞑り、身を竦める華月。