第5章 第二夜
「また、扉(ゲート)を使ってこっちに来たの?」
『奏の負担が軽くなるんだし良いじゃないか』
「……それもそうね。他のみんなは元気?」
『元気だよ。“ウル”なんて気持ち悪いくらいに大人しいし』
「あぁ…そうか。そろそろ新しい“契約者”を探さないとね」
『そうだな…』
“ウル”とはクロと同じ使い魔の一体
奏とは仮契約していて新しい“契約者”が現れるまでは彼女の使い魔なのだ
『ところで…あの“計画”は進んでるのか?』
「進んでるよ。あんなことさえなければこんなことしなくていいのにね…」
『奏…』
「大丈夫よ。洸もマナも協力してくれるから」
奏は悠太たちに内緒である“計画”を立てていた
それを知ってるのは魔法管理委員会と弥生、洸、マナだけだ
「ただ…篠原くんたちにバレると少し厄介なのよね」
『どうしてだ?』
「絶対止めるはずだから。邪魔だけはされたくないのよ」
『そりゃそうだろうな…。でも悠太は夕紀の子供だぞ?』
「それでもよ」
クロは仕方ないか、というと異世界へと戻っていった
「この“計画”だけは邪魔されないようにしなきゃね…」