第1章 エレベーターで
しかしその瞬間、ズンと指とは比べ物にならない質量がまだ狭い場所をこじ開けて挿入ってくる。
「ぁっ…!」
身体を重ねる行為は両手で足りる分だけ。
実際に焦凍の雄を迎え入れたのは、片手で足りる分だけ。
後にも先にも焦凍しか男を知らない風林にとって、これが大きいのか普通なのかすら判別できないが、彼女にとっては確実に大きいと言えるそれが根本まですっぽりと納まってしまう。
しとどに濡れた愛液のお陰で挿入ってこれたらしいが、まだまだ受け入れ慣れていない風林は苦しさに短く悲鳴をあげる。
「はぁ…ヌルヌルだな……」
「やぁ…」
耳元で響く熱を持った焦凍の声に風林の蜜壺から更に蜜が溢れる。
「すっげ…ほら、風林…簡単に出し入れできるぞ」
「ぁ…も、ン…いじっわる…ァッ」
焦凍がゆっくりと腰をスライドさせれば難なくヌルリスルリと動き、その感触を楽しんで感想を漏らせば恥ずかしそうに風林が抗議を漏らす。
喘ぎ声の合間の抗議など、焦凍にとって興奮させる材料にしかならず、ゆっくり焦らそうと思っていた腰は今日も序盤から早く動く。
「あっ!あんっ!」
焦凍が奥を突く度に風林から甘い声が上がる。
「悪ィ、風林…今日も我慢できねえみてぇだ…」
風林にとって挿入は片手で足りるほど、と言えば焦凍にとっても同じこと。
まだまだ我慢ができるほど経験値は積めておらず、次の快感、更なる快感を求めて腰が動く。
抜いては挿して、抜いては挿して、それは次第に粘着質な水音だけでなく、激しさが増していくに連れて肌と肌がぶつかり合う音も加わって大きな音を奏でる。一瞬、分厚い壁を通して外に聞こえてしまうのでは…とも思うが、今はそんなことなどどうでもいいと風林の身体を貪るように焦凍が何度も奥を穿てば蜜壺から溢れる愛液が次第に周囲に撒き散らされ、閉鎖された空間に独特の匂いが立ち込め始める。
「はっ!あっ!」
「……(エロい匂いがする…)」
愛液独特の匂いは焦凍だけでなく、風林をも興奮させ、ビリビリと手足が痺れる感覚が駆け抜ける。
「あっ…!あっ…!(イキそ…)」
「!」