第9章 光と影、そして闇
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リカバリーガールに治療を施してもらいながら、緑谷は思案する。
───依田さんの個性は、"レンタル"。
他者の個性を一定時間、自分のものにするものだ。
───個数にも上限はあるみたいだったけれど、それにしたって強力な個性だ。
所持時間と個数は反比例するのだろうか。そこまで終綴が緑谷に話すことはなかったが、どうなのだろう。
USJで対敵していたのが1時間だったとして、彼女を囲んでいたのは20人ほどだったはず。
限界がそのくらいだったのか、まだ先にあるのかは分からないけれど────今回の対戦、つまり轟との戦いに1時間はかからないだろうし、今日見た限り、終綴はあまり多くの個性を使っていない。
───そうなると、依田さんに分がある…の、かな。
対人戦闘訓練の際、轟は終綴に瞬殺されていた。
彼の実力は確かだが、終綴が強いのもまた確かなのだ。
緑谷としてはどちらも応援したいしその戦闘は見たいけれど、治療中のためそれは叶わない。
微かに聞こえてくる外の歓声に身を委ねながら、緑谷は2人の戦闘を想像していた。
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