第9章 光と影、そして闇
「TIME UP!」
───届かなかったか。
やれやれ、と終綴は肩をすくめる。
この次も行きたかったが、障害物競走で自分の注目度は充分だろう。
あとはじっくり観察でもしておきますか、と緑谷を下ろしてから目を閉じる終綴。
ダメだったねと目配せをするが、黒影の持っているものに目を見開いた。
『1位、轟チーム!!
2位、爆豪チーム!!
3位、鉄て……アレェ!?
オイ!!!心操チーム!!?』
まさかの3位に会場がざわめいている。
しかし緑谷の耳には全く入っていないようで、肩を落としている。
「み、緑谷…?あの、」
「デクくん、」
麗日と2人で常闇を見るよう促す。
「お前の初撃から轟は明らかな動揺を見せた。不本意かもしれんが…それでも1本、取っておいた」
黒影の持っていたのは「615」と表記のあるハチマキ。
「緑谷、おまえが追い込み生み出した轟の隙だ」
『4位、緑谷チーム!!
…以上4組が最終種目へ進出だああーーーーーーーーーーーー!!』