第9章 光と影、そして闇
『さァ上げてけ鬨の声!
血で血を洗う雄英の合戦が今!!
狼煙を上げる!!!!』
そんな実況を聞きながら、緑谷は仲間たちと表情を引き締めた。
"持ちポイントを死守する"
瞳からは、そんな覚悟が窺える。
──轟のとこは、上鳴の牽制と飯田の機動力、八百万は…足りない部分のカバーか。
騎手の決意を感じながら、終綴は周囲を注意深く見回す。
──爆豪は……切島の耐久力と、瀬呂は多分中距離用だろうし…芦戸は…あぁ、氷対策かな。
『よォーし組み終わったな!!?
準備はいいかなんて聞かねえぞ!!
いくぜ!!
残虐バトルロイヤル、カウントダウン!!』
カウントが始まる。
ちら、と終綴は客席の方を気にしてから深呼吸した。
ふぅ、と息を整え、
『START!』