第9章 光と影、そして闇
「オイラと組もうぜ!」
「私と組みましょう、終綴ちゃん」
「俺と組まね?」
「良ければ僕と組まない?」
交渉が始まった途端、終綴はクラスメイトたちに囲まれた。
見回すと、周りには2つほど、大きな塊ができていた。
恐らく轟と爆豪だろう。
他クラスであろう人たちは、バラけている。
つまり、自分と轟、爆豪が主に注目されているということだ。
A組の中でも注目されているのだと判れば、メディアは放っておかないだろう。
できる限り目立ちたくないという自分の願いは、呆気なく破綻してしまったようだ。
しかし、がやがやと騒がしい喧騒の中、鶴の一声でそれはすぐに止まった。
──灯台下暗し。
──どっちにしろ目立つというのなら。
「私は、もう組みたい人、決めてある」
周囲が固まる。
そしてそれは気にせずに、終綴はてくてくと歩いていった。
そしてオドオドしているクラスメイトに話しかけ、そして微笑んだ。
「私と組もうよ、緑谷!
一緒に、勝ちに行こう?」