第9章 光と影、そして闇
「上を行く者には、更なる受難を!
雄英に在籍する以上、何度でも聞かされるわよ…!!
Plus Ultra!!
予選通過1位の緑谷出久くん!!!
持ちポイント、1000万!!」
その場にいる全員の視線が、緑谷に集中した。
中学までの、無個性だからという嘲りではなく、純粋なライバル視。
そのポイントを取るといった、確固たる意思が込められていた。
その重さに、緑谷の心臓はドクンと鳴る。
プレッシャーに潰されないように鼓舞する、そんな強い音だった。
オールマイトとの約束。
それを果たすため。
ヒーローへの1歩を踏み出すため。
あの時の決意を思い出すように、緑谷は固く拳を握りしめた。
「制限時間は15分。振当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり、騎手はそのポイント数が表示されたハチマキを装着!!
終了までにハチマキを奪い合い、保持ポイントを競うのよ!!!!」
ごくり。
どこからか、唾を飲む音が聞こえた。
「それじゃ、これより15分!
チーム決めの交渉タイム、スタートよ!」