第4章 推薦組vs.「別枠」
「?麗日さ……うおお…!!」
全くうららかでないボディを強調した格好に、緑谷は思わず口元を抑えた。
少し目のやり場に困るが、仕方の無いことだと思う。
要望きちんと書けばよかった、と恥じらう表情に、思わず緑谷も赤くなる。
──ウブなカップルか。
横目で見ていた終綴は内心でツッコミを入れ、それからオールマイトに向き直った。
「屋内での対人戦闘訓練を行う!」
待ち望んでいた訓練に、終綴はワクワクした。
統計でいえば、屋外より屋内の方が凶悪敵出現率は高い。だから、その危険性と対処法について学ぼうという趣旨らしい。
ヒーロー組と敵組に分かれ、2対2で行うのだそうだ。
「コンビ及び対戦相手はくじで決めるよ!」
そんなこんなで、組み合わせが決まる。
そして、
「私は?」
終綴が余った。
クラスは奇数人だから、仕方ないだろう。
しかし、それでは訓練に参加できないではないか。
そう思い挙手すると、オールマイトは申し訳なさそうに笑った。
「ああごめん、依田少女は別枠なんだ────個性把握テストでも入試の結果でも、君は圧倒的すぎたからね」
「というと?」
「立候補性で君の敵と味方を決めるよ。
君が敵をするかヒーローをするかは決めてもいい」
「…ヒーローやります」
終綴の言葉を受け、やりたい人ー!?
とオールマイトが生徒たちを見ると、静かな手が1つ挙がった。
「俺が敵をする…個性把握テストで1位の奴だろ?先生が圧倒的とまで言うんだ、実力を確かめたい」
紅白頭────轟焦凍だった。
その静かに燃える目は、やはり何者かを憎んでいるように思えてならない。
「では私もやりますわ。轟さんと同じ理由です」
ポニーテール────八百万百。
やはり、こちらも推薦入試組。
クラス中が凍りついた。
さすがに実技入試1位とはいえ、2人の推薦入試合格者には勝てまい──と。
そして、同情したのか、
「じゃあ俺!」
「私も私もー!」
「…俺がやる」
何人もの手が挙がった。
そして困ったようにオールマイトが終綴を見ると、決めていいんですかと終綴が問う。
「できれば私、そこの……人と、やりたいな」
ピンクの生徒を指名した。
生徒は喜んで飛び上がり、芦戸三奈だよ、よろしくね!と笑みを浮かべた。