• テキストサイズ

水面下の梟【ヒロアカ】

第12章 見え隠れするは爪か牙か



***

​───この感覚、デジャブ…

やはり痛む腰を気にしながら、終綴は登校していた。

​───ああもう、あのバカ…

終綴は気付いていなかった。

一人暮らしを始めてから、彼とは顔を合わせる度に体を重ねているということに。
それも、最初の1回を除けば、全て相手から誘って(?)いることに。

それに気付くのは、いつになるのだろうか。

本人達以外は、家族皆が気付いているというのだが​─────

終綴は恋人のことを思いながら、頭の中は「仕事」についてに切り替わっていく。

​───もう少しみたい、だけど。
​───敵連合の動きを含め、様子を見てから動くべきだと私は思う、けど……

​───どうなんだろう。

​───あいつは早く動きたがってたけれど。
​───オールマイトがこれからどうなるかにも拠るよね。

ふむ、と考えているところで後ろから聞きなれた声がした。

「おはよーっす依田!」

切島だった。

駅の方から、派手な赤髪が見えた。
スイッチを完全に切り替え、にっこり終綴は笑った。

「おはよう、切島」



/ 287ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp