第11章 忍び寄った影は消える
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「ありがとうね、二人とも」
保健室を出て、終綴はにこりと笑った。
気にするなって、と笑ったのは切島と上鳴だ。
授業中に思い切りこけた終綴を心配して、見舞いに来てくれたのだった。
緑谷も来たがっていたのだが、どうやら先生に呼ばれているらしく、そのため叶わなかったようだ。
「全く…気をつけて帰るんだよ」
パルクールに憧れて体を酷使しすぎたのだと聞いたリカバリーガールは呆れながらも治癒してくれた。
その優しさと甘さに感謝である。
これで終綴の全身の痛みは引き、全快した。
リカバリーガール様様である。