第10章 灯る闇は光のように眩く
場所は轟に任せ着いていくと、何ともご立派な事務所が待ち構えていた。
「すごいねぇ!」
───相棒だと、どのくらい稼げるのかなぁ。
───エンデヴァーの年間平均事件解決数からして…
早くも算盤を弾き始める終綴だったが、轟の表情はやはり締まったままだ。
───やりづらいなー…
轟が父親だけを意識してくれている分には都合がいいのだが、話しづらいのは避けたい。
これを機に、轟とは「仲良く」なりたいのだから。
「こんにちはー」
しかしながら終綴は、やりづらさを全く感じさせない爽やかさで、その扉を開けた。