第10章 灯る闇は光のように眩く
────…どうしよう。
流石に考えたことは無かった。
ヒーローになろうとは思うけれども、ヒーローとして活躍している自分を想像した事はないのだから。
────名は体をあらわす、か…。
────うーん、ヒーロー名とか正直どうでも良いしなぁ。
────…これで良いか。
適当につけた名前をボードに書き込んだ。
クラスメイトたちがそれぞれのヒーロー名を発表し、終綴もそれに続いた。
「私は………"シロ"
相手の個性…"色"によって"染まる"でしょ。
相手が強い"色"であればある程、こちらも"強く"なるからね!」
その後、再考を課せられていた爆豪や迷っていた様子の飯田・緑谷の発表も終わり、授業は終わりを告げた。
「職場体験は一週間。
肝心の職場だが、指名のあった者は個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ。
なかった者は予めこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件、この中から選んでもらう。
それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なる。よく考えて選べよ」
どーしよっかなー!!!!
終綴は嬉しそうに声を上げる。
まだ配られてすらいないリストを想像でもしているのだろうか。
件数的に考えると、彼女はよりどりみどりの筈だが─────
うるさいと再び睨みつけてくる相澤の視線を受け入れ、大人しくすると一人一人に紙が配られた。
五十音順になっており、果たして終綴の目当ての事務所は───────