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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第2章 中編 古代都市シャンドラ



「お前も一緒に来るんだぞ?降りる必要ねぇだろ」

「仮にそうだとして、抱えてもらう必要もないですが」

「じゃぁお前ら、後で適当に集まってくれ」

「無視ですか」

再び無視されたユーリは、そっとため息を吐いた。

そして色々諦めたのか、彼の腕の中で大人しくなる。

本当は今すぐここから離れるべきなのだが、取り合えずは様子をみるしかないのだろう。

ユーリを抱えたままシャンドラに戻る彼。

果たしてシャンクスという人物は、こんな感じだっただろうか?

ユーリは彼の横顔を見ながら、出会った当初の彼を思い出していた。














「おまえ、古代兵器だったのか?」

そして抱えられて連れていかれたのは、見慣れた彼の部屋だった。

やっとソファーに降ろして貰ったユーリは、そのままシャンクスを見上げる。

「そうですね。隠しててすいません」

言いたいことは色々あったが、それを聞かれたら謝るしかない。

ワザとではないが、一応彼を騙したことになる。

しかしシャンクスはユーリの隣に腰を下ろすと、気にするなと言った。

「なるほど、じゃぁ遠慮なく気にしません」

ユーリのその言葉に、声を上げて笑ったシャンクス。

一体何が面白いのか分からなかったユーリは眉をひそめた。

「古代兵器ってのは人なのか?」

粗方笑い終えるとユーリの頬に伸ばされた手。

撫でるように触れられたかと思うと、その瞳を覗き込まれた。

「…いえ、違います」

真っすぐと交わる視線に、ユーリは思わず目を逸らした。

見る人によっては、瞳の奥にある機械に気づく。

案の序、シャンクスは何かを感じ取ったようだ。








「ユーリのことを、教えてくれないか?」


しかし彼は無理に問いただすことはしなかった。

あくまでユーリから話してくれるのを待つ。

そんな彼の言葉に、ユーリは少し考え込んだ。







ーーー本当は適当にはぐらかして、姿を消そうと思ったのですが


ユーリはそっと息を吐き出すと、彼と向き合った。


そういえば、機械であることを話すのは彼が初めてかもしれない。


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