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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第2章 中編 古代都市シャンドラ



シャンクスに抱きしめられてどれくらい経っただろうか。

ルフィ達が追いついてきた。

慌てて後を追ってきたのだろうか、息を切らしている彼ら。

ユーリはシャンクスの肩越しに視線を送る。

当然、ユーリの姿を見て困惑しているようだった。

「…シャンクスさん、何か言いたげに彼らが見てますよ」

奇妙な沈黙が支配する中で、最初にユーリが口を開いた。

ユーリの言葉で漸く彼らが来てるのに気づいたのか、ゆっくりと振り返った彼。

「…なんだ、もう来たのか?」

そして視線が交わること少し、口を開いたかと思えばそんな言葉が聞こえてきた。

暗に、まだ来なくて良かったと思わせるその口ぶり。

シャンクスの言葉の意図が分からず、その場にいる者は首をかしげる。

そしてシャンクスは、ユーリを抱いている腕をそのままに立ち上がった。

当然、ユーリは一緒に抱え上げられる。

「…あ、あぁ。いきなり飛び出していくから皆心配したんだぜ?…って、その子は……あんたの隠し子か?」

シャンクスの腕に抱え上げられている少女を見て、皆が聞きたがってることを代弁してくれたエース。

代弁するといってもかなりストレートに聞いている。

しかし、そんなエースを咎めれるような者はこの場にいない。

ローは我関せずだし、ルフィは腹が減ったと言って上の空だ。

「いや、違う。それについては後で話す。各人、整理が終わったら広間に集まれるか?」

「それはいいが…」

「降ろしてください」

「シャンドラは見ての通り無事だ。まぁユーリのおかげであるが」

「降ろしてください」

「ユーリ?そいつがか?鳥じゃなかったか?」

「腹減ったー。飯食ってからでいいか?」

「…降ろせ」

ユーリの言葉をガン無視して進められる会話。

腕を突っぱねて降りようとするが、解放して貰える気配はない。

かといってこんなことで力を使うのも違う気がした。

「…おい、嫌がってるぞ」

ユーリが地面に降りようと奮闘してると、ローが助け舟を出してくれた。

「ん?どうした?」

「いや、だから降ろしてください」

さも今気づいたような口ぶりで話しかけてくる彼。

ユーリは僅かに口元を引きつらせると、彼の顔を押しやって降りようとした。

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