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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第3章 後編 王の願い 少女の想い



ユーリが目を覚ますと、日はすっかり登っていた。

痛む身体を起こし辺りを見渡すが、シャンクスの姿は見えない。

昨晩の出来事を思い出し、ユーリは重いため息を吐く。

結局彼が何を考えているか分からないまま終わってしまった。

いや、これからゆっくり考えればいいのだろうが、そもそも彼は私が手に負える相手なのだろうか。

私に対して何かしらの執着心を見せているのは、流石に分かった。
普通に考えれば、それは好きだからとかそんな単純な思いから来るものだと考えるだろう。

だが昨日の彼の言葉を聞くと、どうも色々拗らせているような気がした。

駆け引きをしたことがない?愛し方が分からない?

…だめだ、彼が何を言いたいのかまるで分らん。

ユーリは暫く茫然としていたが、いい加減腹が減ってきたのでその場を離れることにした。
















「お、漸く起きたか」

ユーリが一階に行くと、何人かの仲間がまだそこにいた。

丁度昼飯を取っていたようで、ヤソップが声を掛けてくれた。

腹が減ったというユーリに何か適当に注文してくれた彼。

ユーリは運ばれてきた料理にお礼を言うと、口に運び漸く一息ついた。


「おいおい今朝の新聞見たか?お頭の左腕の話が載ってたぜ」

「マジかよ早いな。毎回思うが何処で情報仕入れてるんだ?」

「だよなー。あ、因みにユーリの手配書も一緒に配られてたぜ?」

「マジっすか」

ご飯を食べていたユーリのテーブルに置かれた手配書。

賞金額5億。

確かにそこには、ユーリの名前と写真が載っていた。

「って、何でこんな不審者全開の写真を選んだんだ」

ユーリは思わず手配書を手に取り、マジマジとその姿を見た。

これはあれだ。

マリンフォードでシャンクスを見つけて、何時行こうか迷ってる時に撮られたものなのだろう。

壁に隠れてコソコソとこちらを伺っているその姿は、まるでストーカーのようだった。

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