第2章 中編 古代都市シャンドラ
目の前に降り立ったユーリを、信じられないと言った表情で見ている彼。
彼の視線の先には、失われた右腕。
「おまえ、その腕…」
シャンクスは手を伸ばしユーリの腕に触れる。
彼の痛々しい表情を見ていると、まるでシャンクスが怪我をしたようだ。
そんな彼にユーリは困惑したが、そっと彼の手を外した。
「さて、勝算が少しありそうなので行ってきます」
ユーリはそう言うとシャンクスの静止の声を振り切って上空へ舞い上がった。
「おい!!」
彼の悲痛な声が響き渡る。
当然、後を追おうとした彼だが、それは出来なかった。
「二人ともいるんでしょう!?決着をつけるよ!!」
ユーリがそう叫ぶと、海面から大量の海王類が飛び出してきた。
「…全く、いきなり声を掛けてきたかと思えば、私に指図するんじゃないわよ!」
海王類が神々に食らいつき、海へと引きづり込んでいく。
そして海王類の中心に立つ、1人の女性。
ポセイドンは、周囲に結界を張り巡らせると、海王類を使って次々と攻撃を仕掛けた。
そしてその結界は、シャンクスを閉じめる。
見えない壁に手を付き、驚いた表情でこちらを見ている彼。
「お兄さん悪いけど、大人しくしててね」
そう背後から声を掛けたのは、プルトンだった。
彼もまた上空へ舞い上がると、巨大な戦艦のようなものを呼び出した。
「そんなしみったれた攻撃じゃ、何時までも終わらないね」
「はぁ?そもそも私は守り専門なんだけど!文句あるならさっさとしてよ!」
プルトンの嫌味にポセイドンは舌打ちをする。
そしてそんな彼女にプルトンは笑みを浮かべると、戦艦に乗り上げた。
「ウラヌス…いや、今はユーリか?まぁどっちでもいいか。俺が道を開けるから、狙いは分かってるだろ!失敗するんじゃねーぞ!」
ウラヌスが手をかざすと、巨大な魔法陣が現れる。
そして戦艦に付いている複数の大砲に、エネルギーが流れ始めた。