第2章 中編 古代都市シャンドラ
砂浜に、気味の悪い物体が次々と落ちていく。
先ほど仕留めたので何体目だろうか。
衝撃で欠けた剣を投げ捨てると、違う剣を掴み瞬時に攻撃を繰り出す。
これだけの数を相手に互角に戦えるのは、まだ向こうが様子を伺っているからだろうか。
もしくはユーリの存在を探しているのか?
シャンクスは舌打ちをすると、一度地面に降り立ち上空を仰いだ。
正直、敵を踏みつけながら上空で戦い続けるのは無理がある。
相手の数は、まだ減った感じがしない。
ーーーいっその事話し合うか?
すでに何体か仕留めた後で何を言ってるんだと言われそうだが。
シャンクスは地面に落ちた物体へと視線を向ける。
シャンクスの身体はまだ無傷だ。
それがかえって不気味だった。
相手はまだ本気を出していない。
それが意味するのは何なのか。
そもそも神って何だ?人が祀っている神は…もっと……別の…
「……っ!?」
シャンクスは1つの可能性に気づき、慌ててユーリのいる屋敷へと視線を向ける。
すると、今まで気づかなかったが電磁波の方なものがビリビリと周囲を漂っていた。
神は、人間に手を出さない。
遥か昔の古代戦争でも、そうだったはずだ。
あれは神同士の戦いで、人間はただ巻き込まれただけだ。
ユーリは鎖に繋がれてあの部屋から出られない。
「止めろっ!!」
シャンクスは身を翻して彼女の元に向かおうとするが、間に合わなかった。
凄まじい爆発音。
一瞬にして消し飛んだ屋敷に、シャンクスは唖然とその場に立ち尽くした。