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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第2章 中編 古代都市シャンドラ



乗り上げ見下ろすような姿勢になっても、特に彼女は動じた様子はない。

「何か感じることは?」

ユーリの頬を撫でながら耳元でそう囁いてみる。

それに対して彼女は、抑揚のない声でありませんとだけ返す。

「あいつから似たようなことされたか?」

「え?…うーん、軽く?」

「その時どう思った?今の様に何も感じなかったか?」

ローの問いかけにユーリは考え込む。

確かにあの時は何も感じなかったが、それは本当だろうか?

例えば今、同じことをされたら、何か変わるのか…?

















「おれがいる場所で堂々と浮気か?」

声が聞こえる前に身体を押さえつけられていた重みがなくなる。

視線を向ければ剣を突きつけているシャンクスと、それをかわしたのかローが立っていた。

暫く無言で睨みあいを続けていたが、ローが付き合ってられないとばかりに背を向ける。

「どうせ聞いてたんだろ、後はおまえが教えてやれ」

ローはそれだけ言うと、その場を離れていく。

残された二人の間に落ちる、重い沈黙。

ユーリは身体を起こしその場から離れようとするが、シャンクスから腕を掴まれてそれは叶わなかった。

「異常はなかったか?」

「…え?……そ、うですね」

「そうか」

普通に行われた会話にユーリは戸惑う。

そして引きづられるように連れていかれた先は、共に寝泊まりしていた寝室だった。


「本当はもう少し待つつもりだったんだがなぁ」

何やら呟いているシャンクスを不思議そうにみているユーリ。

だがそれも、ベットの上に放り投げられて我に返る。

先ほどローがしたのと同じように、上から圧し掛かるシャンクス。

ユーリはその様子を、ただ黙って見ていた。

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