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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第2章 中編 古代都市シャンドラ



「お前には迷惑を掛けるな」

そしてそんなシャンクスの表情をどう捉えたのか、ロジャーがそう呟いた。

「いや、これは私が選んだ道なので気にしないでください」

国王の後を継いだシャンクスを、ロジャーは気にかけていた。
正直、シャンドラはだいぶ前から窮地に陥っていた。

そんな厳しい状況で分かった病。
それに最初に気づいたのはシャンクスだった。

そして病と闘いながら国を守ろうとしているロジャーを見ていられなくなったのか、自らその責務を背負うと言い出した。

最初こそロジャーは渋っていたが、己の命はそう長くないと察したのか、ある日を境にシャンクスにその座を譲ることにした。

本当は自分で始めたことなので、最後までその責任は自分で取るつもりだった。
だが、結局は己の限界を感じ、彼の言葉に甘えざるを得なかった。

「早く、この戦いも終わるといいな」

ロジャーは窓から見える景色を、どこかぼんやりと見ながらそう言った。
電力供給も碌に行き通っていないこの国は、夜の景色など闇に近いものだった。
それをどこか憂いだ表情で見ている彼。

「あなたの意思は私が継ぎましたから、必ず終わらせてみせますよ」

ロジャーがこの国を守りながら戦っていた理由。

それは、世界から争いを無くすためだ。




ーー何もかもひっくるめて、全ての種族が1つになればいい


何時の日か、彼はそう言っていた。

この世界には多数の種族が存在する。
姿形も違えば、価値観など千差万別だ。

だからお互い受け入れられないこともあるし、争いも起きる。
ロジャーはそんな世界を、1つにできないかずっと考えていた。

そしてその考えを、シャンクスは受け継いだ。
一体どうすればそんなことできるのか、それはまだ分からない。

本当は1つだけ思い当たる方法があるが、果たしてそれが正しいのか分からず実行できないでいた。

その考えは、まだロジャーには伝えていない。

そもそもロジャーが一体どうやって戦争を終わらせるつもりだったのか聞いていない。

だからこれは、自分自身で考えて決めることなのだろう。

病の件もあるので、出来るだけ早く動き出す必要がある。

国王交代は、全てを片付けてから行うつもりだ。









だからその為にも、彼女の力が必要だった。


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