第2章 中編 古代都市シャンドラ
「…なぁ、まさか娶るとか言わねぇよな?どう見ても年齢的にアウトだろ」
「そうか?こいつはおれより年上だぞ?」
「問題はそこじゃねぇよ。見た目の話だ」
「いやそれ以前に別の問題がありますよね?私はそもそも機械なんですが。てか否定してくださいよ」
ユーリは肩を抱き寄せているシャンクスを押しやると、彼から離れる。
そして一番まともであろうエースと何かを話し合うユーリ。
その間、シャンクスから非難めいた視線を感じたが、当の本人はスルーだ。
その様子に、エースだけが表情を引きつらせていた。
因みに古代兵器と神の件は、最初こそ半信半疑だった彼らだが、ユーリが機械だと分かると信用してくれたみたいだ。
「すげー!本当に機械が喋るんだな!」
「体内の構造はどうなってんだ?」
そしてそんなユーリに特に興味を見せた二人。
ルフィとローは興味津々にユーリを見ていた。
「体内の構造ですか?こんな感じだけど?」
「おい、全裸になるな服を着ろ」
何の躊躇もなくローブを捲り上げる彼女に、シャンクスは瞬時にやめさせる。
機械だから恥じる必要も何もないのだが、作りが人間に忠実なためかどうしても気になってしまう。
いやそれ以前に、シャンクスが許せないというのが大きいだろうが。
そしてその日は、後二人の古代兵器の話までして終了することにした。
何だかんだで日も暮れており、何時間にかルフィとエースがいなくなっていた。
恐らく飯を食いに行ったのだろうが、頼むから毎回話の途中でいなくなるなと言いたい。
シャンクスは自由過ぎる部下にため息を吐くが、今に始まったことではない。
彼らの実力は認めているし、誰より信頼できるのも分かる。
だから、結局は彼らの好きにさせていた。
「さて、おれらも戻るか」
集まった家臣たちが去っていくと、シャンクスはユーリの手をとり再び部屋に戻る。
そんな彼にユーリは色々と諦めたのか、大人しくついて行く。
まさか人間と一緒に神々を迎え撃つことになるとは。
予想できなかったその未来に、ユーリは首を傾げる。
ここ最近見る未来は、どれも当たらなかった。
それもこれも、ユーリが彼らの未来に介入したせいなのだろうか。