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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第2章 中編 古代都市シャンドラ



「ってことでおれは暫くここを離れるからな、その間よろしく頼む」

場面変わりここは城内にある広間。

シャンクスの話を静かに聞いていた家臣達は、何か言いたげな視線をユーリへ送った。











シャンクスとの勝負は、意外にも彼の勝利で終わった。

その事実に、唖然とした表情でシャンクスを見上げるユーリ。

地面に引き倒された彼女の喉元には、剣先が突き付けられていた。

けして彼女が劣っていたわけではない。

ただ彼の持つ知能が高かったのだ。

知り尽くした地形、文献にでも乗っていたのか、古代兵器の特性。

そして何時の間に把握したのか、ユーリの癖。

更に極めつけが、彼が命を削っている事実。

それらを総合したとしても、ユーリが負けるなど考えづらいが、結果彼女に隙を作った。

短い間だが、仮にも一緒に過ごしていた仲だ。

そんな彼が命を掛けてユーリに挑んでいるという事実が、彼女に重くのしかかった。

機械に感情などあるはずはない。

しかし彼女でも理解できない何かが、ユーリの動きを鈍らせたのだ。

それを、プログラム修正によるバグだとユーリは思っていた。

ーーー確率論においては負けない、でも…

ーーー『心』を持つ人間は、時には私の理解を超えるのでしょうね

そう呟いた彼女に、シャンクスは笑みを深めただけだった。

















「邪魔しにくるんじゃねぇぞ?折角ユーリと二人きりなんだから」

「誤解を招く発言は止めてください」

相変わらずなシャンクスに、ユーリは脱力した。

シャンクスが彼らに伝えた言葉。

それは、ユーリが古代兵器であるという事と狙われているということだ。

当然、彼らも手を貸すと言っていたが、そこはシャンクスが譲らなかった。

表向きは、全滅する可能性を避けるため。







本心は、恐らく先ほど言った内容なのだろうが。




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