第3章 EPISODE 1
それから どうやら秋ちゃんに聞いた話だとサッカー部は廃部にならないために練習試合をするらしいのだが...
「相手あの帝国だってよ...」
「あの帝国か...?」
「うん。なんでも、練習試合申し込まれたっぽいよ」
帰り道、修也にサッカー部の帝国との練習試合のことを伝えると予想どうりの反応をする修也。
「(まぁ、本来なら去年の決勝で戦ってたはずの相手だしねー...)」
そう。 あの事故がなければ私達出場して戦っていたはずの相手
しかし なぜあの帝国が言っちゃ悪いが弱小チームの雷門サッカー部なんかに練習試合を...
もしかして
「...ねぇ、修也...もしかして、帝国の狙いって...」
「...あぁ。だが、お前の可能性もある。」
何となく修也も察していたそうだ
帝国の狙いは果たして修也なのか私なのか
それとも
「私と修也の両方なのか...だよね?」
「あぁ」
''相棒''同士である私達2人が狙いなのかは定かではない。でも間違いなく何かあるだろう。
「修也は試合見に行くの?」
私がそう尋ねると 迷っているのか答えず俯く修也
「見るくらいならいいんじゃない?私も見に行くし、一緒に行こうよ」
私がしびれを切らして顔を覗き込みながらいうと少し間を開けたあと、「わかった」と微笑み一緒に行こうと約束をした
いつもなら家の近くまで送ってもらうのだが、今日はお父さんが家に帰らないため、親戚の家に泊まることになってる。
いつもとは違う所で別れて親戚の家へと向かう。
ピーンポーン
『はーい?どちら様?』
「あ、こんにちは。樹希です。お世話になります」
インターホンを鳴らすと凛とした声が帰ってくる
返事をすると『あら!今開けるわね!』と返事が聞こえ、少しすると ドタドタと聞こえ、ドアの鍵を解除する音が聞こえる
ガチャとドアを開け、叔母さんに挨拶しようとすると、丁度自分のふくらはぎの所に小さいなにかが突進してくる
「樹希おねーちゃん!いらっしゃーい!!」
「ふふっ こんにちは
輝、元気にしてた?」
ニコニコと花が周りに浮かびそうな笑顔をして私を見上げてくる子供。
影山輝 4歳は私の従兄弟である。