第3章 EPISODE 1
「俺、サッカーやめるよ」
彼のその一言は私を驚かすには十分すぎる言葉だった。
でもその反面、何となく、彼がそうした理由もわかった気がした。
「それってもしかして、夕香ちゃんの事故が原因?」
「っ!」
やっぱりそうか。
あの時、もしも私の手が
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『夕香ちゃんっ!!!』
キキキィイイイイイイ
『『『逃げてぇ!!!』』』
ドンッ
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彼女に届いていたら....
「樹希」
ポンッと 修也に肩を叩かれビクッとする。
振り返ると修也は 「あの事故は樹希のせいではない」といって微笑む
でも やっぱり私の心は晴れない
でも サッカー辞めるって...本当にそれで夕香ちゃんは喜ぶのだろうか。
「修也、」
私はキッと修也の目をまっすぐと見る
「私もサッカー辞めるよ」
もしも修也がやめるのならば私も辞めよう。
「なっ、お前が辞める理由はどこにもないだろう!もしもあの事故が自分のせいだと思ってるいるのならあれは...」
「私のせいじゃない...でしょ?もう聞き飽きたよ。でもやっぱり罪悪感は残るの。このまま私だけサッカーするなんてそんなの嫌。」
「だが...」
「それに、''2人で1つ''でしょ?」
私はニコリと微笑む
修也はやっぱり納得いかないような表情をしていたが、はぁ、とため息を付くと 好きにしろと言って背を向けて歩き出した。
「好きにするさ、味方兵士(修也)がいないフィールドはジャンヌ(私)の望む最高の指揮は取れない。」
父さんに連絡しないとなぁ