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夢操り屋 凛 第三章

第6章 夢の後。


私は、先輩を靴箱まで送り出し、
部室に戻ると、浩二君がまだダルそうに
帰り支度を済ませ、私の鞄を差し出した。

「送ってくわ。」

ビックリした。
一瞬止まってしまった…。

「えっ…?どしたん?」

「いや…お前も一応女の子なんやし…。」

あ~そっか…。
先輩の夢で、リアルな女子の危険を
目の当たりにしたから…か…

「そんな気ぃ使わんでええで。まだ明るいし、
 一人で帰れるから。」

そう答えた私に、

「とにかく、今日はほんまに送ってく。
 ほら。行くで。」

そう言って、手を繋がれた。

…何これ!!どうゆう事!!

あたふたしている私を無視して、
浩二君は手を離す事なく廊下を歩き出した。

「あの…手…。」

そんな言葉しか出てこない。

「先輩の話で、犯人が若い男って聞いた時、
 なんかヤな予感がしたんよなぁ。
 いくら夢とはいえ、女の子二人やし…。
 …まぁ、守れて良かったわ。」

…って。
真っ直ぐ前を向いたまま言われたら…
気になってたまらなかった。

…どんな顔して言ったんよ…

守りたかったのって…どっち…?
浩二君はなんやかんやゆうても
優しいし、きっと二人ともなんやったんやろなぁ。


繋がれた手から、ドキドキが
伝わらないか…もっとドキドキした。

ガラにもなく、ちょっと切なかった。
 




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