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夢操り屋 凛 第三章

第4章 前に進むきっかけを。


次の瞬間、男が手を振り下ろしてきた…殴られる!!

「凛っっ!!」

…浩二君の叫び声と共に、
男が真横に吹っ飛んだ。

浩二君の回し蹴りがヒットしたんだ。


一瞬で視界から男が消え…私の目の前には
大きな浩二君の背中が立ち塞がった。

「大丈夫か?ケガないか?待てってゆうたのに、
 ほんまに無茶する奴やな。やっぱり来れて良かったわ。」

…どうしようカッコイイ…
…やっぱり…浩二君の事…
…好きなんやわ…

…でも今は、先輩が先!!

ドキドキする胸を押さえながら、
しゃがみ込んでいる先輩と視線を合わせた。

「先輩。携帯出して下さい。」

震える先輩は、動けないでいる。
そんな彼女に、

「携帯!!出して下さい!!」

もっと強く話しかけた。

「か…体が震えて…。」

震えながら動けないでいる彼女に、

「先輩、このままじゃダメです。
 自分自身で…警察に通報して下さい。
 目の前で、警察に捕まえてもらうんです。」

私の言葉に、彼女は顔を上げた。

「そんなこと…。」
彼女の瞳が、戸惑っている…

「先輩。凛の事信じたって下さい。」

気絶しているのか、男は浩二君に
取り押さえられていた。

私は彼女の前で、大きく息を吸った。、

「いつまでもこんな酷い悪夢に囚われてたらダメです。
 前に、進みましょう。」

私の言葉を聞いて、今度は彼女が大きく息を吸った。

そして、ゆっくりと110番を押した。

…間もなく、駆け付けた警察官によって
犯人は連行されて行った。

去りゆくパトカーを見つめる先輩の瞳からは
大粒の涙がこぼれていた…。 
















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