第15章 DEAD APPLE
葉月が短刀から手を放すと、荘子の躰は粉々に砕かれた。葉月はその氷の粒を救いあげると強く握りしめる。その握りしめた拳を地面に殴りつけ、悔しそうに表情を歪めた。よく見ると葉月の鼻、口から血が流れている。
「葉月!」
ふらつく脚で葉琉が駆け寄る。葉月は葉琉の腕の中に収まる様に倒れこみ、そのままゆっくりと瞼を閉じた。まだ能力が収まってないのか躰は冷たい。
「治ちゃんなら……!」
これが異能力の影響ならば、解除が出来るのは太宰のみだろう。葉琉には太宰が生きているという確信があった。ふらつく脚元、痛む右手、襲う眠気と戦い乍、葉月を抱えた。