• テキストサイズ

【文スト×リボーン】一人の苦しみと話せない話【森鴎外】

第1章 第1話___森鴎外の記憶の欠片_____


~鴎外の夢の中~
「此処は........」キョロッ
歩く度にピチャンそう響く
周りを見ても真っ暗
「誰か、居ないのかい?」
震える声で鴎外は言う
底知れぬ闇に落ちた様で鴎外は怖かった
自分は闇に慣れていたと錯覚をしていたから
だけど、鴎外の夢の闇はその闇より深かった
微かに声が聞こえた
《・・・・・は・・・・・・だ!・・・・・・るい!》
何を言ってるのか分からなかった
近付くに連れ声ははっきりと聞こえる
《彼奴は・・・・だ!・・・・・・るい!》
彼奴とは誰なのだろうか
鴎外は自分の赤い瞳の所為で気味悪がられてた
また一歩歩き出す
ピチャン暗い闇に響く
水でも溢れているのだろうか
歩く度に響く水の音
奥には光が射してた
鴎外はそれを見て息を飲んだ
「ッ......」
その奥の事を鴎外は知ってる
自分がずっと苦しめられてた場所
実験室だ
行きたくない、そう頭の中で響く
だが、鴎外の足は鴎外の気持ちとは裏腹に其処へ向かう
響く泣き声、聞きたくなくて鴎外は耳を塞ぐ
「ッ.......聞きたくないっ........」
塞いでも聞こえる泣き声
「五月蝿いっ!!五月蝿い五月蝿いっ!!」
そう云っても止むことは無い
耳を塞ぎ目を強く瞑った
また別の声が聞こえた
《お前は悪魔だ!モルモットだ!気味が悪い!頭可笑しいわ》
自分の事なのだろうか
鴎外は怖くなって逃げ出した
走り出した途端背景は変わった
森の中だった
それでも走り出した
それでも自分を刺す言葉は降ってくる
《気味が悪い!モルモットだ!お前は!実験台が逃げるな!》
ずっとずっと言われてきた言葉だった
怖くなって泣き出しそうになった
「もう厭だっ」
そう云っても言葉は聞こえる
「もうやだ!もう辞めてよっ!」
そう叫んだ
その途端に鴎外は転んだ
何かに捕まれたんだ
《実験台が》
見えたのはずっと昔にやられた事だ
殴られる、また沢山殴られるんだ
「もう、やだっ」
自分の声が響いた
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp