第14章 食堂のキミ、眼鏡のあなた/前編
(シン…)
部屋の中が急に静けさを取り戻す。
「っ、ありがとうございます… 政宗様」
もう御本人には届かない御礼をひとり呟いたあと、ふぅーと細く長い息を吐くとやっと身体の力が抜けてくる。
ものすごく緊張したけど… 聞きたいことを聞けて良かった。
政宗様がああ仰ってるんだからきっと大丈夫だ。
莉菜様、
佐助様との仲を公に認めて頂けるよう、晴は陰ながら応援しております…ーー
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政宗様が退室後、少し間を置いてから廊下に出た。
誰もいないのを確認し、秀吉様達がいらっしゃった方と反対方向へ進む。
「はぁ…」
政宗様の蒼い瞳、綺麗だったな。
眉もキリッとして、鼻筋もシュッとしてらっしゃるし。
「身分も立場も関係ない… か。んふふ♪」
完璧なまでに整った美しいお顔を思い出すとニンマリしてしまう。
頬を緩ませたまま、今度こそ人目に注意しながら自室へ戻っていった。
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