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イケメン戦国【秘密の花園】

第13章 今夜は朝まで離さない/後編/R18




「美味しそうだ。作ってくれてありがとう」

「ううん、お料理は苦手だから味はイマイチだと思うけど…!」


いただきます と手を合わせ、二人同時に味噌汁から手を付ける。


(ズズ…)


…ん。

出汁の味が しない。

もしかすると鰹節や昆布の保管場所が分からなくて出汁を取ってないのかな。

具として入ってる蓮根や人参を噛むと、まだ煮えてなくてボリボリと小気味よい音がした。

でも このくらいの歯応えがあっても俺的には問題ない。

次はご飯だ。

広範囲に渡ってお焦げがあるけど、それが逆に香ばしくてすごく美味しい。

葉物のお浸しは…

何て言えばいいのか『草の味』がする。

この苦味も、健康の為と思えば…… うん、大丈夫だ。

とにかく、莉菜さんが作ってくれたというだけで箸が進む。


「…………」


どんどん食べ進めてると、莉菜さんが浮かない顔をしていることに気が付いた。


「莉菜さん、どうしたの?」

「佐助くん… 無理してない……?美味しくないよね、やっぱり…」

「…? 無理なんてしてない。また是非作って欲しい」

「うん……」

「って、俺は そう思ってるけど…… どうしても莉菜さんが気になるなら今度は俺も一緒に手伝う」

「ほんとに?」

「ああ、一緒に料理の勉強をしよう」

「ありがとう…!」


ーーー


そのあとは終始笑顔で食事を済ませ、

作ってくれた御礼にと、後片付けは俺が全て引き受けた。


「お待たせ。身体ツラくない?昨日の疲れとか…」

「ありがとう、大丈夫!」

「もし しんどくなければ、ちょっと家の前に出てみない?」

「うん、行く!」


莉菜さんを連れて玄関を出る。

朝の空気が やけに爽やかで気持ち良く感じ、二人で腕を伸ばして深呼吸をした。


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