第13章 今夜は朝まで離さない/後編/R18
「……綺麗だ、すごく」
感じたままの言葉をかける。
「ほんと…?嬉しい」
莉菜さんは素直に喜び、ふにゃっと笑った。
本当に綺麗だ…
どんな星よりも輝いて見える。
君を異性として意識し始めてからというもの、
君と自分の淫らなシーンを妄想し、自慰行為を繰り返して来た。
妄想の中でしか触れられなかった莉菜さんが今、俺の目の前にいる。
何ひとつ身につけてない、生まれたままの姿で…ーーー
「はぁ」
熱い息を吐きながら右手を頬に添わせ、そのまま首筋へ移動させようとしたけど、
「ね…」
ふと蚊の鳴くような声が聞こえてピタッと止めた。
「佐助くんも… 裸、に」
「…!」
キュン。
莉菜さんからのお願いを聞かないワケにいかない。
俺も早急に脱ごう。
「じゃあ俺の浴衣の帯、莉菜さんに外してもらおうかな」
「え、私が!?」
どんな反応をするか分かっていながら くるりと背中を向ける。
なかば強制的に帯をとく羽目になった莉菜さんが、俺の腰で結ばれた角帯を懸命に緩めてくれた。
自分で外した方が早いに決まってる。
でもこの焦れったさが何とも言えない。