第12章 今夜は朝まで離さない/中編
「ご馳走さまでした!美味しかった〜」
「お粗末様でした」
手を合わせて食事を終え、二人で食器を片付ける。
片付けが済んだら風呂、
風呂の後は……ーーー
その先を想像したらフワフワして落ち着かない。
「佐助くん、お皿 仕舞ったよ」
「ありがとう。じゃあ お風呂の準備をしてくる。莉菜さんは休憩してて」
「うん!」
あらかじめ釜に火を入れておいたお陰で湯船の湯はすぐに沸いた。
風呂に案内する前にタンスを開いて莉菜さんのパジャマになりそうなものを探す。
「………(無い)」
当初は日帰りの予定だったから、莉菜さん用の着るものを何も用意していなかった。
俺の浴衣を貸すにも 丈が長過ぎる。
…あ、これなら。
タンスから引っ張り出したのは俺が夏場に部屋着として使ってる甚平の上着だった。
これなら裾を引き摺ることはないし、それでいてお尻が隠れる程度の長さは十分にある。
畳んだ甚平の上着に 手拭い2本と石鹸を乗せ、莉菜さんに手渡した。
「莉菜さん、お風呂沸いたから… 良かったらこれ使って」
「ありがとう!石鹸、いい香りだね」
「無添加石鹸を作ってみたんだ。肌に優しいし髪にも使える」
「佐助くん石鹸まで作れるの!?凄すぎない!?」
「クス… ゆっくり入って来て」
「うん!じゃあ お先に頂きます」
(カラカラカラ…… パタン)