第12章 今夜は朝まで離さない/中編
佐助くんは異様なほど自分を責めていた。
その姿はどこか憔悴しきっているようにも見える。
もしかすると ものすごく心配させてしまったのかも……
「ありがとう… 心配かけてごめんね」
佐助くんの手をキュッと握る。
「大丈夫、私ちゃんと守ってもらったよ」
「…………」
「ほら、こんなに元気だよ。よく寝たから頭もスッキリしてるし」
「俺一人だったら救えてなかったかもしれない。幸村と… 軒猿の皆がいたから」
「それは本当にありがたいね」
「ああ」
話を続けていると、佐助くんの表情が少しだけ緩んだ。
「でも、そうやって皆さんが惜しみなく力を貸してくれたのは他ならぬ佐助くんの頼みだったからこそだと思うの… だから私、やっぱり佐助くんに守ってもらったんだよ」
「莉菜さん…」
「私が言うのも変だけど、信頼し合える仲間がいるっていいよね」
「…………」
「頼ったり、頼られたり、助け合っ… っ!」
引き寄せられたかと思った瞬間、また佐助くんの腕の中にいた。
「莉菜さん、君ってひとは」
「……佐助くん」
広い背中に腕を回し、なだめるように ゆっくりと撫でる。
佐助くんが小さく鼻をすする音が止むまで、ずっとそうしていた。