第12章 今夜は朝まで離さない/中編
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「ん…」
(あれ、ここは……)
瞼をゆっくり開くと、見慣れない天井が目に入った。
ずいぶん長く、そして深く眠っていたような………
むくりと身体を起こし、ふぁ〜と欠伸をする。
「莉菜さん!」
…え?
「佐助くん!?」
私の方へ近づいてきた佐助くんの姿を見てハッとする。
そうだ私、待ち合わせ場所に行く途中に変な人に絡まれて……!
「莉菜さん…っ」
側で膝をついた佐助くんが 勢いよく私を抱きしめる。
「目が覚めて良かった…」
………
………
「そうだったんだ!?」
佐助くんから事の顛末を聞き、私は驚愕した。
「ごめん。俺のせいで君をとんでもない目に合わせてしまった」
「佐助くんのせいじゃないよ、私が油断してたから…!」
「いや、俺がちゃんと城まで迎えに行ってたら… 朝や昼だからって必ずしも安全ってわけじゃないのに」
「それは関係ないよ、明るいうちは普段から私1人でもウロウロしてるんだし!」
「でも肝心な時に守れなかった」
「佐助くん……」