第12章 今夜は朝まで離さない/中編
「…っ」
あどけない表情で眠る莉菜さんを見てると、急に泣けてきた。
莉菜さんの存在は俺の中で日に日に大きくなっていて、
まるで自分自身の大部分は莉菜さんで出来てるんじゃないかと思うくらいだ。
ここ数ヶ月で俺の人生観が確実に変わった。
君が俺に、人の温もりというものを教えてくれたから。
大袈裟だって笑われるかもしれない。
だけど俺はもう、君なしじゃ…ーーー
「すー… すー……」
おもむろに手を伸ばし莉菜さんの頭を撫でる。
まだ身体も交えていないのに、気持ちが溢れてどうしようもない。
こんな状態で君を抱いたら、
一体 俺はどうなるんだろう。
………
………
…その後も莉菜さんが起きる気配は無く数時間が経過。
外では秋の虫が鳴き始めた。
「もう こんな時間か…」
薄暗くなってきた部屋の行灯に火を入れ、莉菜さんが目覚めるのをひたすら待った。
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