第11章 今夜は朝まで離さない/前編
***
夕方、私が出先から部屋に戻ると佐助くんから手紙が届いていた。
もう少し早く帰っていれば ひと目でも逢えたかもしれないのに。
少し残念に思いながら手紙を開くと…
「…!」
文面を読んで、思わず手が震えてしまう。
大急ぎで城の庭へ行き、佐助くんに届くようにと狼煙(のろし)を上げた。
ーーー
手紙を受け取ってからの丸2日間、暇さえあれば身体のケアに勤しんだ。
少しでもお腹を引き締めようと腹筋をしたり、
食堂のママから頂いた香油でボディマッサージをしたり…
ムダ毛処理も、いつもより入念にしておいた。
そして いよいよデート前夜。
部屋の姿見の前で寝間着を脱ぎ、全身をくまなくチェックする。
「…はぁ」
鏡に映った自分の身体を見て、溜息をついた。
(明日には私、佐助くんと……)
佐助くんは胸が大きい方が好みだったりするのかな?
グラビアアイドルみたいな。
もうちょっと こう、こんな感じの……
前かがみになって手でおっぱいをギュッと寄せ、無理やりセクシーな谷間を作る。
「…………」
体型はともかく、変な粗相をしないようにだけは気をつけないと。
佐助くんに不快な思いはさせたくない。