第11章 今夜は朝まで離さない/前編
三日後、ついに莉菜さんを隠れ家に招待する。
あからさまに言うと、今回の逢瀬の一番の目的は『誰にも邪魔されずに莉菜さんとセックスをすること』だ。
考えただけで心が浮き立つけれど、
それと同時に男としての責任の重さも感じていた。
逢瀬が無事終わったら、まずはずっと後回しにしていた"あの問題"を解決させたいと思ってる。
信長様をはじめ 安土軍の武将全員に俺たちの関係を打ち明けるつもりだ。
いつまでも隠れて付き合ってるのは莉菜さんにも負担をかけるし、俺なりのケジメとしても。
敵国の忍である俺が安土城に乗り込むことで向こうがどう出てくるか……
相手が相手だけに全く想像がつかないけど、正々堂々と向き合うしかない。
あと、大事なことがもう一点。
莉菜さんを抱くということは、その結果 彼女のお腹に子供が宿る可能性もあるということ。
もちろん、そうならないように最大限注意はする。
でも100%完璧な避妊が出来ない以上、もしもの時の覚悟はきっちり固めておかなくちゃならない。
生半可な覚悟じゃ駄目だ。
元の世に戻る方法が特定できていない今、
万が一にも妊娠してしまったら、この時代で出産、子育て、ということも十分にあり得る。
それが莉菜さんにとってどれだけ大変なことか…
とてもじゃないが男の俺には計り知れない。
だからこそ覚悟が必要なんだ。
どんな事があっても必ず莉菜さんを守り抜き、幸せにしてみせる。
俺の全てをかけて…ーーー
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