第10章 熱帯夜に見た夢/R18
「もうひとつは何?」
「あ、最後のは多分、ブレスレットかな?」
そう言って莉菜さんが取り出したものは、確かに数珠のように珠が連なったブレスレット…
に見えなくもないけど、何か違うような。
俺も そういうのにあまり詳しい方じゃないから定かではないけれど……
張型の件があったせいか、ここまでくると全てが妖しく見えてくる。
「あー 残念、入らない」
莉菜さんが その数珠のようなブレスレットをはめようとするが、手の部分で引っかかり手首まで入らない。
「子供用なのかなぁ?せっかく佐助くんが取ってくれたのに ほんとに残念だけど、これは大事にしまっておくね」
「ああ、それがいい。そうだ、他にアクセサリーを置いてる店がないか見に行ってみようか」
「うん…!」
莉菜さんを慰めるように声をかけ、再び夜店を回り始めた。
それにしても、久々のカルチャーショックだ。
子供も多く訪れる祭りの景品に、あんなにも堂々とアダルトグッズが並んでいるとは…
この時代ではそれが普通なのか、はたまたあのオジサンの趣味がおかしいのか。
もっと奥深くこの時代の文化や思想を理解する必要があるな…
とある片田舎の村の祭りで、思いがけず探究心を刺激されてしまった。
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